研究課題/領域番号 |
09660155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 北海道大学 (1998) 東京農工大学 (1997) |
研究代表者 |
小池 孝良 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (10270919)
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研究分担者 |
相場 芳憲 東京農工大学, 連合農学研究科, 教授 (00014944)
戸田 浩人 東京農工大学, 農学部・附属演習林, 助手 (00237091)
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 広葉樹 / 高CO_2 / 木漏れ日 / ギャップ / 誘導時間 / branching |
研究概要 |
冷温帯域の林床は光環境の季節的変化とそれに伴うCO_2の日変化を特徴とする。これらの変動環境を更新稚樹は利用し成長する。林床付近のCO_2濃度は夕方から翌朝にかけて600ppmに達する。森林が発達していれば側方光が侵入し、また、木漏れ日を利用することで生存し成長する。Frankiaと共生するケヤマハンノキでは、貧栄養条件で成長が加速され根粒の数が増加した。一方、高CO_2で生育すると気孔密度などが減少すると考えられている。実際、簡易浸潤法により測定した結果、高CO_2条件で生育したブナでは気孔伝導度が低下していたことが明らかになった。また、気孔形態は多様であり生育環境との対応関係があることが示唆された。常緑種であり更新の生物的阻害要因とされるクマイザサの光利用特性を測定した。この結果、光合成は上層木の開葉前と落葉前に高い値を示した。上層木の葉が茂る期間は光合成活性を低下させていた。木漏れ日の利用能力を誘導反応から調べたが、林床に生育する個体群では誘導時間が短かった。典型的な日陰回避タイプの樹種と考えられるナニワズでは、日陰の程度を強めると落葉時期が速まった。さらに、常緑樹のシラカシとアオキ、落葉樹のケヤキとコナラでは、どの樹種でも誘導時間は前照射時間が長いほど短い傾向があった。以上の結果から、林床に更新した稚樹は上層木の生物季節に対応した機能順化・適応をしていると考えられる。また、ギャップ依存樹種では、相対光環境が20%以上になると分枝し成長が継続された。
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