研究課題/領域番号 |
09660161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 弘之 京都大学, 農学研究科, 教授 (90026633)
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研究分担者 |
金子 隆之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20233877)
竹田 晋也 京都大学, 農学研究科, 講師 (90212026)
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キーワード | 熱帯非木材林産物 / ラック / シェラック / ラックカイガラムシ / 着色料 / 熱帯 |
研究概要 |
熱帯からは多様な非木材林産物といわれるものが、輸入されているが、多くのものについて、それがどのように加工され、生活の中で利用されているのかよくわかっていない。本年度はラック(シェラック)の加工・利用にしぼり、国内調査をした。 ラック(シェラック)とは、ラックカイガラムシの分泌物である。インド、タイ、インドネシアを主に、中国南部を含めた東南アジア諸国で、アメリカネムノキ・セイロンオ-ク・ハナモツヤクノキなどに放虫し、増殖したものの分泌物を回収、輸入している。 輸入されたシ-ドラックは、東京・岐阜・大阪にある3つの大手化学工業会社によって精製、製品に加工される。輸入量を日本セラック共同組合確認したところ、ここ5年間(1992-1996)で650-943tであるが、毎年、減少している。これは生産量の低迷、それに伴う輸入価格の高騰によるものである。 製品はきわめて多様な用途に使われている。ワックス分はニス・ラッカーなど塗料、電気機器絶縁材、粘着テープなど粘接着、エンテリック・コーティングなど医薬剤である。また、色素(ラッカイン酸)は食品着色剤として使われている。天然着色料として、大きな需要はあるが、価格の高騰で、代替合成色素にとってかわられると心配している。 生産者・加工業者の信頼関係・流通ルートの確保・安定化が必要であろう。
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