研究概要 |
1.高性能機械の導入効果;高性能機械の利用状況は1994年(平成6年)現在、宮崎は北海道の291台に次ぐ112台である。高性能機械導入による生産性とコストをみると、宮崎県の事例では伐採-荷掛け-荷卸し-集材-枝払い・玉切り・椪積みの工程で、プロセッサを導入して土場で枝払い、玉切りを行うケースがもっとも多い。この場合、プロセッサを使わない場合よりも生産性で3m3/人日、コストで2,000、3,000円/m3程有利である。また、立地条件によっては、トラッククレーン集材とプロセッサの組み合わせで間伐でも伐出の生産性が3.7m3/人日、伐出費が5,900円/m3、グラップル集材とプロセッサの組み合わせで前者が9.9m3/人日、後者が3,120円/m3の成果を上げている。 2.スギ同齢林の成長予測調査;耳川流域の西郷村、諸塚村のスギ林を調査対象に、線形補間による欠損直径データを用いた樹幹解析法に対し、任意の円板採取位置における直径データを組み合わせることで、線形補間による樹幹解析法の一般的な有効性について検討した。分析の結果、ほとんどの組み合わせにおいて、この樹幹解析方法が円板採取位置にそれほど左右されることなく、有効に使用できることが分かった。 3.森林管理・林業経営情報のデータベース化;持続可能資源及び生産基盤を把握するため、西郷村森林組合を対象に地理情報システムの利用が可能となる情報のデータベース化を行った。森林属性情報は1)森林の所在に関する市町村名、林班番号、小班番号、地番、2)森林の現況に関する面積、人工林天然林別、樹種、林齢、3)森林の生長に関する蓄積、生長量等を含んでいる。地図情報には1)等高線情報、2)森林区画情報(林班界、小班界)、3)道路位置情報(一般道位置、林道位置、作業道位置等)、4)一般地形情報(河川位置、集落位置、高圧線位置)等が含まれている。
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