Ceriporiposis subvermisporaをスプル-ス材に植菌し、培養済み木粉からリグニンとLCCを抽出した。その結果、リグニンとLCCの抽出量は、未処理材、2週間培養した木粉、4週間培養した木粉とも材に対して0.1%から0.2%というほぼ一定の値を示し、腐朽が進行しても有機溶媒に可溶なリグニンやLCC成分は増大しなかった。しかしながら、4週間培養したリグニンとLCCの分子量は顕著に低分子化していた。リグニンとLCCの抽出量に大きな変化がない原因としては細胞壁非破壊型の腐朽をするCeriporiopsis subvermisporaは細胞壁内部のリグニンやLCCが修飾を受けても容易に溶媒で抽出されえないためと考えられる。培養中に菌体外に分泌される主要なリグニン分解酵素はマンガンペルオキシダーゼであった。一方、Ceriporiopsisのリグニン分解に関与する物質を特定するためC.subvennisporaを液体培養し、培養物を限外濾過によって高分子画分と低分子画分に分別した。低分子画分のFe(III)の還元活性をBPSやフェロザインを用いて測定したところ、Fe(III)の還元活性を示す物質を見出した。現在この物質のHPLCによる精製と反応特性の解明を行っている。一方、過酸化可能な低分子物質に関しては、DPPPとFOXアッセイによるスクリーニングを行っており、有機溶媒可溶画分からこれらのアッセイに反応する物質を見出している。
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