全国にある社会教育関連施設で木材加工教育としての木工体験活動が実施されているものを対象にアンケート調査を実施した。その結果、以下のような実態が判明した。 木工体験活動の場が20.8%、木材と木工の普及・啓発と木工品の開発が20.0%、地域振興・林業振興が16.0%、木材・木工に関する情報提供が12.8%で上位を占めている。木工体験活動として実施されている学習プログラムの「木工教室」などの学習目的としては、木材・木工の理解20.1%、親子・子ども・地域住民などのコミュニケーション20.1%、生きがい・趣味19.3%、木工技能の修得14.2%が上位を占めている。木工体験活動の参加者であり、学習者の対象者は一般成人29.9%、小学生21.4%が高い割合を占めていた。木工体験活動の製作課題としては、小型木工日用品が50.3%、おもちや・パズル・木工芸品などのクラフト作品が24.1%と上位を占めていた。しかし、本格的な木工技術を必要とする木製家具は9.4%と低い割合を示していた。 木工体験活動施設の運営上の問題点として、以下のような事例が判明した。(1)施設・設備……不備、木材置場の不足、展示コーナーの不足(2)指導員の不足(3)運営上の将来展望がない、企画力が不足 木工体験活動のための製作学習を構想する、学習プログラムの設計開発システムの基本構成要素とその基本構造を明らかにすることができた。第1は学習目的の明確化。第2は学習対象者の内訳・学習者数・学習場所・設備などの学習条件。第3は学習内容、すなわち木工技術のなにを学習するのか。第4は製作題材の決定。最後の第5は指導者と指導補助者である。以上、5つの基本構成要素をリンク・システムとして構築していく必要がある。
|