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1997 年度 実績報告書

三陸リアス式内湾域における環境収容力評価のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660191
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

古谷 研  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30143548)

研究分担者 乙部 弘隆  東京大学, 海洋研究所, 助手 (10169328)
岸 道郎  北海道大学, 水産学部, 教授 (90214767)
小松 輝久  東京大学, 海洋研究所, 助手 (60215390)
キーワード植物プランクトン / 環境収容力 / ワカメ養殖 / 三陸リアス式内湾 / 基礎生産力 / 物理生態系モデル
研究概要

本研究は、三陸内湾域の環境収容力を評価するために必須である基礎生産量とその動態を、栄養塩環境特性に重点を置いて解明することを目的としており、本年度は、亜寒帯域の植物プランクトンの光合成活性を連続的にモニターするための植物プランクトン自然蛍光特性の把握と、大槌湾における連続観測を行った。大槌湾の観測は現在、春季ブルームの形成期に向けて継続中である。
東京大学海洋研究所研究船「白鳳丸」航海において、亜寒帯海域の植物プランクトンについて光合成有効放射で規格化した自然蛍光と光合成活性との間に有意な相関を認めた。これにより自然蛍光から光合成能を見積もることが可能であることが明らかとなった。しかし、この関係は植物プランクトンの光履歴に依存しているため深度の異なる植物プランクトンでは係数が異なること、海面付近では散乱光の影響を受けるため光合成能推定の誤差が大きいことが判明した。この結果をもとに大槌湾での自然蛍光の測定は水深6〜8mで行うこととした。
季節風による海水交換と、それに伴う栄養塩の流入・流出と植物プランクトンの動態を把握するために、1998年1月10日に大槌湾内中央に定点を設置した。これに流速計を2層に設け、海水交換の経時変化を測定するとともに、本申請で購入した自然蛍光光度計を吊下して、クロロフィルと光合成能の連続測定を行っている。併せて、栄養塩の動態、光合成一光曲線の測定、植物プランクトン組成の解析および、植物プランクトンと栄養塩について競合関係にあるワカメについて成長と炭素・窒素・リン含量のモニターを継続している。現在、植物プランクトンブルームはまだ形成されていないが、群集組成はブルーム形成種が卓越しており、海況が平穏になればいつでもブルームの形成が始まることが示唆される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Odate,T.: "Well-developed subsurface chlorophyll maximum in the the vicinity of Komahashi No2 seamount,summer." Deep-Sea Research. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] Furuya,K.: "HPLC determination of phytoplankton pigments using N,N-dimethylformamide." Journal of Oceanography. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Waku,M.: "Primary production and community respiration in spring in a warm streamer associated with Kuroshio warm core" Journal of Oceanography. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Furuya,K.: "Spatial distribution of phytoplankton pigments during spring bloom in the East China Sea" Proc.8th JSPS-NRCT Joing Sem.Mar.Sci.(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 古谷研: "東シナ海における基礎生産" 沿岸海洋研究. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 古谷研: "水産学からみた海洋環境" 月刊海洋. 号外10号. 90-94 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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