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1997 年度 実績報告書

魚類の初期発育過程における光情報伝達・処理機構の形成

研究課題

研究課題/領域番号 09660199
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

大村 百合  名古屋大学, 農学部, 助手 (50023479)

研究分担者 松島 俊也  名古屋大学, 農学部, 助教授 (40190459)
キーワード光受容細胞 / 内耳有毛細胞 / 耳石日周輪 / 仔魚 / 胚期 / 電子顕微鏡 / 免疫組織化学 / タウリン
研究概要

1.ウナギ仔魚の網膜における錐体細胞の出現
従来、ヨーロッパウナギAnguilla anguillaのレプトセファルス幼生では桿体細胞のみがみられると報告されているので、産卵場付近で採集されたニホンウナギAnguilla japonicaのレプトセファルス幼生と人工ふ化仔魚(7日令)について、光顕および電顕標本を作製し比較観察したところ、他の魚種の場合と同様にウナギ仔魚の網膜でもまず錐体細胞が出現することが明らかにされた。
2.ヒラメの網膜におけるタウリンの免疫組織化学的局在
ヒラメの成長に伴う網膜組織のタウリンの局在変化を免疫組織化学的に検索し、ふ化後6日までの網膜には錐体細胞の外節および外顆粒層、内顆粒層の細胞周囲に比較的強い反応がみられるが、13日になると錐体細胞層、外顆粒層、内顆粒層および神経節細胞層の細胞内部および外網状層にも強い反応がみられ、その後タウリンの局在に目立った変化はみられないことが確かめられた。一方、変態時になって出現する桿体細胞の外節には反応が認められないことが指摘された。本結果より、タウリンは網膜形成の早い時期に重要な役割を果たしており、また網膜の情報伝達機構においても重要な役割を担っていることが示唆された。
3.アユとニジマスの胚体における内耳および耳石の発達
アユでは受精後4日目に耳石と有毛感覚上皮をそなえた小嚢が出現し、5日目には通嚢、9日目(ふ化日)には発達した感覚上皮が小嚢および通嚢の両者に認められた。また、9日目の扁平石には多数の微細線維から成る輪紋の層がみられたが、耳石の日周輪形成と光受容器との関連については証左を得るには至らなかった。一方、胚期が長い(28日目にふ化)ニジマスでは耳石輪紋の形成は15日目に開始し、感覚上皮有毛細胞の発達はそれより遅れることが明らかにされ、松果体等が日周輪形成の開始および駆動に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Omura, Y.: "Cone cells appear also in the retina of eel larvae." Fisheries Science. 63・6. 1052-1053 (1997)

  • [文献書誌] Omura, Y.: "Immunocytochemical localization of taurine in the pineal organ and retina of an anadromous fish, Plecoglossus altivelis." Archives of Histology and Cytology. 60・2. 153-162 (1997)

  • [文献書誌] Furukawa, E.: "Scannig and transmission electron microscopic study on a multilayered basement membrane in the pineal organ of the ayu plecoglossus altivelis." Archives of Histology and Cytology. 60・5. 511-517 (1997)

  • [文献書誌] Salem, M.A.: "Light and electron microscopic studies on the development of the inner ear and otolith of the ayu Plecoglossus altivelis." Fisheries Science. 64・2. (1998)

  • [文献書誌] Salem, M.A.: "Embryonic development of the inner ear and otolith of the raintrout Oncorhynchus mykiss." Archives of Histology and Cytology. (received).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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