試料魚: 白身魚(マダイ、キンメダイ、カレイ、マダラ)、赤身魚(ブリ、ヒラマサ、マサバ、マアジ、イナダ)を三枚におろし、細切し、高圧処理用のフィルムに密封した。 超高圧処理:1分間で所定の圧力まで到達させた後、10分間保持し、1分間で常圧に戻した。この間、試料室の温度はほぼ10度の保った。用いた高圧装置はDr.Chef(神戸製鋼)であった。 エキスの抽出:高圧処理した試料に5倍量の水を加え、1時間加熱後、遠心分離してエキスを得た。 高圧処理に伴う味の変化:白身、赤身を問わず、いずれの試料においても、処理を施さない試料に比べて甘味の増加が認められた。 成分の変化:マダイでは圧力の増加につれ、エキス中のIMPが減少し、AMPの増加が観察された。他の魚類では、マダイほど明瞭ではなかったが、AMPが圧力の増加とともに増加の傾向を示した。遊離アミノ酸、無機イオン類では、大きな変化は認められなかった。SDS-PAGEにより、ヒラマサでは高分子位置(ゼラチンと考えられる)に変化が認められたため、この部分より2成分を分取(HPLC:Poros R1)し、ヒラマサのエタノール処理エキスに添加したところ、より高分子成分には濃厚感を与える効果のある成分が存在していた。
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