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1997 年度 実績報告書

水産発酵食品の呈味有効成分とD型アミノ酸の味への寄与

研究課題

研究課題/領域番号 09660228
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

阿部 宏喜  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80086727)

研究分担者 藤田 恵理子  共立女子大学家政学部, 助手 (20291651)
渡辺 勝子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30092381)
キーワード発酵食品 / 塩辛 / 魚醤油 / D-アラニン / 遊離アミノ酸 / 旨味
研究概要

塩辛,魚醤油を始めとする水産発酵食品のエキス成分組成を明らかにし,これらの強いうま味の本質を探ることを目的に,本年度は以下の検討を行った.
1.タイ,ベトナムおよび国内産を中心に58種の魚醤油を集め,遊離アミノ酸,D型アミノ酸,有機酸組成を分析比較した.遊離アミノ酸パターンは上記3ヶ国の魚醤油では比較的ル類似しており,Asp,Glu,Ala,Val,Leu,Lys等の含量が高く,ベトナム産のアミノ酸含量が最も高かった.ミャンマーおよびラオス産魚醤油は遊離アミノ酸含量が著しく低く,アミノ酸パターンも全く異なり,川魚が原料であった.カタクチイワシ他の魚類を原料としたものとイカ魚醤油ではアミノ酸パターンは著しく異なっていた.その他,有機酸,ヌクレオシド・核酸塩基およびクレアチン・クレアチニン等に関しても特徴が認められた.
2.D型アミノ酸ではD-AspおよびD-Gluが半分ほどの試料にわずかに検出されたが,D-Alaはほとんど全ての試料に検出され,中には全Alaの25%を占めるものも認められた.
3.マイワシおよびスルメイカを原料として,10および20%食塩で魚醤油を調製し,熟成中のアミノ酸の変動を調べた.10%食塩では6ヶ月間にアミノ酸総量は10g/100gに達し,20%では1年間でイワシで5g,イカで8gであった.10%イカ魚醤油でのみ細菌の繁殖が顕著であり,D-Alaが著しい増加を示した.
4.その他,市販の20数種に塩辛類,かつお節等の水産発酵食品についてD型アミノ酸を分析したところ,D-Ala以外はわずかであった.D-Alaは製品によっては含量はがかなり高く,ふな寿司では全Alaの13%,いかの塩辛でも35%に達する製品も認められた.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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