研究概要 |
本研究は,平成9年度から平成11年度までの3年計画で実施される.研究の対象であるPOSデータは,農業経済学の分野で用いられるのはほとんど始めてでもあり,また,平成9年度は本研究の初年度であるために,研究のフレームワークを作ることを重点に研究を進めた. 具体的には,POSデータを用いて,ブランドレベルでの需要分析を行うために必要な,(1)データ整理,(2)関数型なども含めた需要分析の枠組みづくり,(3)システムワイドアプローチに従った需要体系の推定,の作業を行った.用いたデータは主にアメリカのマ-ガリンについてのものであるが,分析の枠組みという視点では,日米いずれのデータでも共通である. その結果,(1)ブランドレベルでも需要体系の推定が可能であることが示されたし,(2)ブランドレベルの分析で得られた価格弾力性は通常考えられているものより大きいことが分かり,(3)アメリカの当該市場における農協製品のポジションは他の一般企業に比べて,顕著な特徴は見いだせないことが分かった. わが国のデータについては,その入手に手間取ったために,現在,データを計量分析が可能な形式に加工中であるが,早急に加工を終えて,今年度の研究で確立された需要体系の推定に取り組む予定であり,次年度早々に推定結果を得る予定である.
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