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1999 年度 研究成果報告書概要

戦後東西ドイツ農村における難民問題と農業問題についての比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660242
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 農業経済学
研究機関京都大学

研究代表者

足立 芳宏  京都大学, 農学研究科, 助教授 (40283650)

研究分担者 足立 芳宏  京都大学, 農学研究科, 教授 (40283650)
研究期間 (年度) 1997 – 1999
キーワード土地改革 / 戦後ドイツ難民 / 東ドイツ農業 / 戦後ドイツ農村 / 新農民 / 農業労働者
研究概要

本研究の狙いは、農村における難民問題に着目する観点から戦後の東西ドイツ農村と農業問題のあり様を比較史的に分析することにある。主要には、シュヴェリン州立書館所蔵の1940年代後半期に関する行政文書を史料として、メクレンブルク地方における新農民問題、および農村難民問題について分析した。分析の結果、明らかとなったのは以下の諸点である。
第一に、「土着の新農民」と「難民の新農民」は経営的にも社会的にも異なるカテゴリーであり、一括しては論じられず、また、農村の難民問題は、新農民問題のみならず、農業季節労働者としても論ずる必要があること。
第二に、経営資本と生産過程のありさまに着目しながら分析した結果、1.経営資本問題の焦点は馬とトラクターの利用であり、郡当局は難民の新農民経営に強い利害関心をもちつつ強烈な介入を行っていること、2.新農民の経営放棄が見られる一方で、不良経営として再接収される場合がかなりあること、3.他方で森林伐採による売り逃げをはかる新農民の存在が見られ、定着志向の乏しさが問題化していたことなどが明らかとなった。また、州難民課の史料では、難民の新農民集落が存在していること、しかしその場合も集落には少数派ながら旧住民も存在していること、また多くの難民は、新農民のみならず多様な形態で存在していることが判明した。
第三に、戦後の西ドイツ農村については、東ドイツとの比較から、1.土地改革は、東ドイツほどには難民問題とは強くリンクされなかったこと、2.この点を別とすれば、農村難民の就業構造、また住宅問題の深刻さなどの点で東西ドイツで共通点がみられること、3.西ドイツ農村では、パートナー選択において、土着か難民化よりも階層性の貫徹が見られることなどが指摘できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 足立芳宏: "ドイツの土地改革-経営と難民問題の視点から-"農業史研究. 31・32. 13-24 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 足立芳宏: "戦後東ドイツにおける土地改革・集団化と難民問題"生物資源経済研究(京都大学). 3. 59-76 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yoshihiro ADACHI: "Land Reform in Germany. Farm Management and Refugees Problem"The Journal of Agricultural History. No.31/32. 13-24 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yoshihiro ADACHI: "Refugees and Land Reform in the East Germany after World War II"The Natural Resource Economic Review, Kyoto University. No.3. 59-76 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2001-10-23  

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