研究課題/領域番号 |
09660265
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研究機関 | 宮城県農業短期大学 |
研究代表者 |
加藤 徹 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 教授 (70070224)
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研究分担者 |
倉島 栄一 岩手大学, 農学部, 助教授 (30178082)
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キーワード | 地球温暖化 / 積雪地河川 / 融雪流出解析 / 積雪融雪計算 / 温暖化シナリオ / 総流出高 / 融雪流出高 / 融雪水依存度 |
研究概要 |
本年度は、地球温暖化シナリオを気温上昇に伴って降水量増加を見込むものがシナリオI、降水量増加を見込まないものをシナリオIIと設定して、地球温暖化が融雪流出へ及ぼす影響の予測を試みた。具体的には、大倉ダム(宮城県)と刀利ダム(富山県)の2カ所の解析対象流域における月別総流出高、月別融雪流出高、月別融雪水依存度、旬別総流出高、旬別融雪流出高、流域の最大積雪水量、消雪日等の変化について検討した。 ここでは、これらのうち代表して月別融雪流出高の変化の概要のみ記述する。 (1)大倉ダム流域;月別総流出高は、気温1℃上昇につき、シナリオIでは、4月(「基準温度」で372mm)には平均34mm、5月(「基準温度」で225mm)には18mmずつ減少し、逆に3月(「基準温度」で106mm)には29mm、2月(「基準温度」で38mm)には12mmずつ増加する。シナリオII(「基準温度」での値はシナリオIと同値)では、4月には平均41mm、5月には22mm、6月には4mmずつ減少し、逆に3月には23mm、2月には11ずつ増加する。(2)刀利ダム流域;月別総流出高は、気温1℃上昇につき、シナリオIでは、4月(「基準温度」で742mm)には平均82mm、5月(「基準温度」で459mm)には63mm、6月(「基準温度」で207mm)には3mmずつ減少し、逆に3月(「基準温度で272mm)には51mm、2月(「基準温度」で129mm)には56mmずつ増加する。シナリオIIでは、4月には平均95mm、5月には70mm、6月には8mmずつ減少し、逆に3月には40mm、2月には49mmずつ増加する。(3)このように、シナリオIよりシナリオIIの方が降水量増加を見込まない分、月別総流出高の減少が大きくなる。(4)また、月別総流出高の増減の割合では大倉ダムの方がわずかに大きくなるが、増減の絶対値では刀利ダムの方が2〜3倍ほど大きくなる、ことなどが予測される。
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