1.履板と土の相互作用について 1)履帯の履板の運動による土の変形と土からの反力をシミュレートする二次元個別要素法力学モデルを構築し、C言語によるシミュレーションプログラムを作成した。 2)履板による土の変形と反力を計測する室内土槽実験を行い、所要のデータを得た。 3)力学モデルのパラメータ(垂直方向ばね定数、ディスク要素の比重、要素同志の摩擦係数、要素と履板表面の摩擦係数)の値および要素数を変化させて、計算結果に与えるそれらの影響を調べた。その結果、計算を安定に行うには、ばね定数と比重の値の組み合わせにある制限があること、およびばね定数や比重が大きくなるほど計算された要素集合体(±を模擬)の変形と要素集合体から履板モデルへの反力が、実験計測値に近づくことが示された。 2.ロータリ刃と土の相互作用について 1)高速回転するロータリ刃と土の相互作用をシミュレーションするために、特に要素の離散挙動を抑える修正個別要素力学モデルを提案した。 2)修正モデルを用いた上記シミュレーションプログラムを作成し、計算した結果、ロータリ刃によって切削・投擲される要素はいくつかが塊を構成し、実際のロータリ耕うん時の土塊形成を模擬できることが判明した。 3)簡単なL型刃による土塊切削実験を行い、高速度カメラで土の挙動を捉えた。修正個別要素法によるシミュレーションは実験時の土の挙動をよく模擬している。
|