研究概要 |
本研究は乾燥椎茸の品質向上を目指して、遠赤外線椎茸乾燥機の開発を行なおうとするものである。まず2.5〜25μm程度の波長域に典型的な特徴をもつセラミックおよび石英ガラス等ヒ-タを組み込んだまず汎用型乾燥実験装置を試作した。この装置により、赤外線放射特性を把握するとともに,放射加熱による赤外線の椎茸への浸透性を測定し,遠赤外線加熱のもつ基本的な加熱特性を明らかにするための実験を行った。装置は遠赤外線ヒ-タの放射出力、照射距離、チャンバー内の風速、空気温度などを、ある範囲内で任意に変えられるもので、実験期間を短縮するため、2機作製した。研究は主に次の事項について行った。 1.乾燥室内に試料を置き,遠赤外線を照射して、遠赤外線ヒ-タの表面温度,供給電力密度,ヒ-タの放射エネルギ分布,試料の放射エネルギの反射,吸収特性などの光学的物性値等との関係から,椎茸の乾燥特性の解明を行った。 2.遠赤外線を熱源とした,椎茸等の低温除湿乾燥についてモデル的に検討し,基礎的諸元を得る.乾燥条件として,遠赤外線ヒ-タの表面温度,入風の温湿度,風速,試料の大きさを変化させ,試料の品温,重量変化,初期および乾燥後の水分含量等を測定した。 3.各種の条件で乾燥した椎茸について、品質の良否を調査した。干し椎茸を調理するには水に浸漬して復水させる、いわゆる水もどしが利用上重要な意味を持つと考え、椎茸の吸水速度、褐変化、5'-GMPの消長等に及ぼす影響を検討した。 以上の結果から、椎茸の乾燥条件について、概略が掴めたので、来年度以降、さらに詳細な研究を行ってデータの蓄積を図りたい。
|