現在では、赤外線放射体として、それぞれ遠赤外波長域(5〜25μmまで)、近赤外波長域(1〜6μm)、赤外全波長域(2〜25μmほぼ平坦)で放射率の高い放射特性をもった放射体などが各種開発されている。農産物に遠赤外線を照射して乾燥を行うとき、遠赤外線と水のかかわりを知ることは極めて重要である。 今年度は、赤外線放射特性の異なる各種セラミックス及び石英ガラス等の赤外線放射体を用いて、放射加熱による赤外線の椎茸への浸透性を測定し、赤外線加熱の持つ基本的な加熱特性を明らかにするため研究を行った。 実験は乾燥室内に試料を置き、上部より遠赤外線を照射した。各遠赤外線ヒータの各波長における単色放射エネルギを求めて解析したところ、放射エネルギの大きなヒータによる乾燥速度が最も大きかった。また供給電力が大きい場合は近赤外放射体による乾燥が遠赤外線放射体より速く、供給電力が小さい場合は遠赤外放射体による乾燥のほうが速いことがわかった。これは放射エネルギのピークが供給電力が小さくなるにつれ長波長側へ移動するためと考えられた。 水の赤外吸収帯は3μm、6μm、10μmにあり、吸収係数は波長によって著しく変わる。この帯域をカバーする赤外線放射体が最も効果的と考えられるが、ウイーンの変位則より短波長帯では放射体の表面温度を高くしなければならない等の問題があり、実用上の検討が必要になる。赤外線の吸収量は大小は乾燥速度の大小と著しい相関関係をもっており、適当な利用法をすれば省エネルギ化につながるものである。
|