研究課題/領域番号 |
09660280
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
久保田 智恵利 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (00280917)
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研究分担者 |
金 昶厚 千葉大学, 園芸学部, 助手 (90301093)
古在 豊樹 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90081570)
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キーワード | 低温貯蔵 / セル成型苗 / 光質 / 光補償点 / 苗生産 / 光合成 |
研究概要 |
ナス(品種:式部)セル成型苗を用いて、光質の異なる条件(白色光,赤色光、緑色光)下で4週間貯蔵した。光源には蛍光灯を用いた(白色:FL20S EX-N/M、赤色:FL20S R-F、緑色:FL20S G-L、松下電器産業(株))照射光の光強度は白色、赤色、緑色下でそれぞれ、7.8、9.7、および9.3μmol m-2 s-1であった。貯蔵終了後に、貯蔵気温と等しい気温(9℃)、白色光下で二酸化炭素濃度および光合成有効光量子束を独立変数とする光合成反応曲線を求めた。白色光下および赤色光下で貯蔵した苗の光合成能力が貯蔵前よりも有意に低下したのに対し、緑色光下で貯蔵した苗のそれは貯蔵前と同等に維持された。苗の乾物質量は、白色光、緑色光下で貯蔵前と同等に維持され、赤色光下で減少したことから、赤色光下における苗の光合成能力の低下は乾物質量の低下に起因するものと考えられる。緑色光下で貯蔵した苗は移植後も順調な生育を示した。一般に葉の緑色光(500-600nm)についての反射率および透過率は、光合成有効波長域400-700nmの中で比較的高いことが知られている。移植適期にあるセル成型苗は、葉面積指数が高いことから、緑色光下では白色光や赤色光下よりも下位葉の受光率が高くなっていたと考えられる。別途行った実験により、セル成型苗の苗個体群内光環境条件を緑色光下、赤色光下で測定し、緑色光下で個体群内の光合成有効光量子束が高いことが確認した。 本実験より、貯蔵中の光質制御の効果が示された。得られた成果は適当な学術雑誌にて報告する予定であ
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