研究概要 |
1,新潟県下のいずれの牧場においても、リ-ドカナリーグラスとエゾノギシギシの繁茂は草地管理上の大きな問題となっていることが判明し、両草種とも上牧頭数の減少にともなって放牧強度が低下した放牧草地において著しい繁茂が認められた。また、リ-ドカナリーグラスは手入れの行き届いた採草地(妙法育成牧場)や放牧利用後の掃除刈が徹底している放牧草地(若ぶな高原牧場)においても旺盛に繁茂していた。 リ-ドカナリーグラスとエゾノギシギシそれぞれの群落は概して別々の場所にパッチ状に認められ、これまでも報告されているような「棲み分け」をする傾向を示した。また、管理が行き届いているためにリ-ドカナリーグラスが優占するような前述の草地においてはエゾノギシギシの優占度は非常に小さく、そのような草地ではリ-ドカナリーグラスが低い草丈で維持されている場合には良好な草地景観を示した。 2,埋蔵直後の急速な嫌気状態の確立を目的とし、調製時に二酸化炭素をドライアイスの形で投入してサイレ-ジ調製を行った。その際、二酸化炭素の添加効果を明らかにするために3段階の埋蔵密度を設定した。その結果、埋蔵密度が通常よりも低い場合には嫌気状態の確立が困難であるため調製されたサイレ-ジの乳酸含有率が低く、有機酸含有率が高かったことから良質サイレ-ジの調製は困難であることが示された。しかしながら、二酸化炭素を添加した場合には低い埋蔵密度においても通常の埋蔵密度で調製されたものと変わらない乳酸および有機酸含有率のサイレ-ジが調製できることが示された。また、発酵基質の増加を目的としたセルラーゼ添加によっても乳酸含有率は増加し、有機酸およびNDF含有率が減少したことから、リ-ドカナリーグラスにおいてもセルラーゼ添加によって高品質サイレ-ジが調製される可能性が示された。 (なお現時点までに分析等が完了していないため、学会誌等への発表は平成10年度以降を予定している。)
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