研究課題/領域番号 |
09660299
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
川島 光夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (10177686)
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研究分担者 |
田中 克英 東京農業大学, 農学部, 教授 (20021678)
安岡 忠 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (90182328)
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キーワード | プロスタグランジン / レセプター / ニワトリ / 視床下部 / 脳下垂体後葉 / バソトシン / ラジオイムノアッセイ |
研究概要 |
産卵鶏においては放卵前後のいろいろな時間および休産鶏においては一日のいろいろな時間に下垂体後葉を採取し、これらの組織をホモゲナイズし、遠心分離法で細胞膜画分を調製した。この細胞膜画分に[H^3]プロスグランジンF_<2a>(PGF_<2a>)を加えるラジオリガンドアッセイ法で検討した。この結果、下垂体後葉の細胞膜画分におけるPGF_<2a>・レセプターの結合量は、産卵鶏においては放卵直前に増加し、直後に減少した。これに対して、休産鶏においては一日のいろいろな時間で顕著な変化は認められなかった。したがって、産卵鶏の放卵時の前後で認められたPGF_<2a>・レセプター結合量の変化は放卵と密接に関与しているものと推察された(川島担当)。休産鶏にエストラジオール(E2)、プロジェステロン(P4)およびジヒドロテストステロン(DHT)の0.5mgを筋肉注射し、注射1および2時間後に下垂体後葉および血液を採取した。下垂体後葉のPGF_<2a>・レセプター結合量を測定し、さらに下垂体後葉および血液における(1)PGFと(2)バソトシンのそれぞれの濃度をラジオイムノアッセイ法で測定した。この結果、(1)視索前野を含む視床下部(HPOA)、正中隆起部を含む視床下部(HMEA)および下垂体後葉におけるPGF量は休産鶏の方が産卵鶏よりも大であったが、血中のPGF濃度は産卵鶏の方が大であった。そこで、休産鶏に性ステロイドホルモンであるプロジェステロン、エストラジオールおよびジヒドロテストステロンを投与したところ、PGF量はいずれの組織においても減少することが認められた(安岡担当)。(2)放卵時およびそれ以外のいずれの時期においても、産卵鶏の血中バソトシン濃度は休産鶏よりも大であった。そこで、休産鶏に上記の性ステロイドホルモンを投与したところ、エストラジオールを投与した場合のみ血中バソトシン濃度の増加することが認められた(田中担当)。以下の結果より、エストロジェンは視床下部および下垂体後葉に作用し、下垂体後葉からプロスタグランジンを分泌し、プロスタグランジンは下垂体後葉のPGF受容体に結合することによりバソトシンの放出を促すものと推察された。
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