研究課題/領域番号 |
09660314
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
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研究分担者 |
上塚 浩司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90145673)
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キーワード | アポトーシス / 5-アザシチジン / PC12細胞 / リボソームタンパクL4(rpL4) |
研究概要 |
ラット副腎の褐色細胞腫由来で神経様細胞への分化能を有するPC12細胞を用いて、5-アザシチジン(5AzC)誘発アポトーシスに関連する遺伝子のクローニングを試みた。無処置PC12細胞と5AzC(500μg/ml)で10時間処置したPC12細胞からそれぞれmRNAを抽出、cDNAを合成し、subtraction法を行ない、発現量に差を認めたクローンを1つ得た。このクローンの塩基配列を決定したところ、ラットribosomal protein L4(RrpL4)であった。5AzC処置PC12細胞より得たmRNAについて、この全長をプローブとしてNorthern blot法を行ったところ、処置3〜6時間後に発現のピークが認められた。この実験系ではアポトーシスが観察され始めるのは投与後6〜12時間なのでRrpL4の発現がアポトーシスに先行することが明らかになった。また、RrpL4をプローブに用いたin situ hybridyzationの結果、投与後12時間に、5AzC処置および無処置ラットおよびマウス胎仔の神経組織と肝臓で強いシグナルが認められたが、このシグナルとアポトーシス発現部位との関係は明らかではなかった。さらに、このクローンをhamoagglutinin(HA)遺伝子とともにCOS-7細胞にトランスフェクトし、培養したところ、48時間後にHAタンパク質の発現増加と明瞭なDNAの断片化が観察された。以上の結果より、5AzC誘発PC12細胞アポトーシスにおけるRrpL4の関与が示唆された。
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