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1998 年度 実績報告書

孵化直後のニワトリヒナ脳内における摂食調節機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 09660319
研究機関九州大学

研究代表者

古瀬 充宏  九州大学, 農学部, 助教授 (30209176)

キーワードGLP-1 / CRF / NPY / CNS / FOOD INTAKE / CHICK / FASTING / Exendin
研究概要

グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1,GLP-1)は、消化管と視床下部での存在が明らかにされた脳腸ペプチドである。近年、絶食させたラットの脳室のGLP-1を投与すると摂食行動の強い抑制が起こることが報告された。これまで調べられている哺乳類のGLP-1のアミノ酸配列は同一であるが、ニワトリのGLP-1(7-36)のアミノ酸配列は哺乳類と4箇所の異なることが知られている。そこでニワトリにいてもGLP-1が同様に摂食行動に関与するかどうかについて調査した。実験はすべて2日齢のプロイラーヒナを用いて行い、脳室投与後2時間の摂食量を測定した。哺乳類およびニワトリGLP-1は用量依存的に摂食を抑制させるが、両者の効果に差は認められなかった。絶食時間の長さに関わらず、またneuropeptide Y(NPY)による摂食量の亢進に対してもニワトリGLP-1はヒナの摂食量を低下させた。次にGLP-1による摂食や飲水行動の抑制にcorticotropin releasing factor(CRF)が関与しているかどうかについて調査した。ニワトリ脳室内にCRFを投与し、その後の摂食量を測定した。またCRFとGLP-1を投与した後の血漿コルチコステロン濃度の変化について調査した。CRFの用量に依存し、ヒナの摂食量は減少した。摂食量を抑制する水準のCRFを投与すると、血漿コルチコステロン濃度は有意に上昇するが、同じく摂食を抑制する水準のGLP-1を投与しても血漿コルチコステロン濃度の上昇は認められなかった。GLP-1の末端側の数個のアミノ酸を欠落させると、摂食に対する効果が低下することが明らかになると共に、哺乳動物ではGLP-1の拮抗薬として働くエキセンディン(9-39)が鳥類においては無効であることも証明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Furuse,M.: "Intracerebroventricular injection of mammalian and chicken glucagon-like peptide-1 inhibits food intake of the neonatal chick" Brain Research. 755(1). 167-169 (1997)

  • [文献書誌] Furuse,M.: "Influence of fasting and neuropeptide Y on the suppressive food intake induced by intracerrebroventricular injection of glucagon-like peptide-1 in the neonatal chick" Brain Research. 764(1-2). 289-292 (1997)

  • [文献書誌] Furuse,M.: "The central corticotropin-releasing factor and glucagon-like peptide-1 in food intake of the neonatal chick" European Journal of Pharmacology. 339(2-3). 211-214 (1997)

  • [文献書誌] Furuse,M.: "Effects of various N-terminal fragments of glucagon-like peptide-1(7-36) on food intake in the neonatal chick" Brain Research. 807(1-2). 214-217 (1998)

  • [文献書誌] Furuse,M.: "Influence of intracerebroventricular administration of exendin (9-39) on food intake of the newly-hatched chick" Japanese Poultry Science. 35(6). 376-380 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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