研究概要 |
今年度は、既に確立した精製法で牛肺から可溶性Guanylate Cyclaseを調整し、これを抗原としてマウスに投与し、モノクローナル抗体を作成した。その結果、二つのIgGを分泌するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株、mAb3221とmAb28131をクローン化出来た。Western blottingに於てmAb3221は強くlarge-subunitと幾分それより劣るがsmall-subunitを認識し、mAb28131はsmall-subunitのみを認識した。ラット小脳由来の培養細胞でこれらの抗体を用いて免疫組織染色を行ったところ、mAb3221はPurkinje細胞で一酸化窒素存在下に抗原である可溶性Guanylate Cyclaseと強く反応することが解った。さらに、Surface Plasmon Resonanceによる抗原とmAb3221のaffinity解析から、mAb3221は一酸化窒素の可溶性guanylate cyclaseへの結合による立体構造の変化を認識することが明らかになった。さらに、epitope解析から、mAb3221はlarg-subunitのSer-361からLys-368,small-subunitのGly-128からLys-151を認識することが解った。一方、mAb28131にはこのような作用は無かった。これらの結果をFEBS Letter誌に発表した。
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