研究課題/領域番号 |
09660324
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
桑村 充 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20244668)
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研究分担者 |
河南 有希子 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80264810)
山手 丈至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (50150115)
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キーワード | 悪性線維性組織球腫 / 間葉系始祖細胞 / 多分化能 / ラット実験モデル / モノクローナル抗体 / 間葉系分化 |
研究概要 |
悪性線維性組織球腫(MFH)には、環境条件に依存して多彩な細胞へ分化することの出来る間葉系の始祖細胞が存在する。この研究課題においては、MFH構成細胞と他の間葉系細胞の関連を明らかにするために、我々が確立した種々のラット腫瘍細胞を用いて、その特性を比較検討した。さらに、MFH構成細胞に特異的なモノクローナル抗体を作製し、その陽性細胞の分布についても検討を加えた。 1。ラットMFH由来のクローン細胞MT-9細胞と組織球性肉腫由来のHS-P細胞にLPSを添加しその特性を比較した。その結果、HS-PはLPS添加によりTNF-αの産生が増加し、さらにマクロファージの免疫表現系(ED1、ED2陽性)が増強した。一方、MT-9にはそのような変化はなかった。 2。同じ細胞を用いて線維原性サイトカインであるTGF-βを添加したところ、HS-Pはマクロファージの特性が減退したが、MT-9ではそのようは変化はなかった。以上の結果より、MFHを構成している細胞は真のマクロファージとは性格が異なることが示された。 3。ラットMFH由来のクローン細胞であるMT-8細胞を抗原として2種のモノクローナル抗体(A3、B9)を作製した。A3は胎児発生過程の臓器間質の未分化間葉系細胞と特異的に反応し、B9はマクロファージのリソソームと反応した。このことはMFH構成細胞は多分化能を持つ未分化間葉系細胞と共通抗原があり、さらにマクロファージや組織球と類似する性状を持つことが新たに示された。 4。以上の結果を総括すると、MFHはいわゆる線維組織球細胞(fibrohistiocyte)と言われる細胞群から成る腫瘍であり、その特性から判断しMFHは多分化能を示す未分化間葉系肉腫と診断することが相応しいと思われる。
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