研究課題/領域番号 |
09660329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
谷口 和美 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (00171843)
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研究分担者 |
御船 弘治 久留米大学, 医学部, 講師 (70174117)
汾陽 光盛 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (00153007)
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キーワード | アネキシン・ファミリー / アネキシン5 / ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド) / 血管作動性ペプチド / 局所性調節因子 / 免疫組織化学 / ウエスタンブロット |
研究概要 |
心臓は、循環の要となるポンプ器官であるのみならず、血管作動性ペプチドである心房性ナトリウム利尿ペプチド(Atrial Natriuretic Peptide ; ANP)などのホルモンを分泌する内分泌器官でもある。心臓機能の局所での調節機序は、しかしながら、血液容量の調節など全身に及ぼす作用と比べ、不明な点が多い。心臓にはそれ自身が分泌するホルモンに加え、局所で細胞機能を調節していると考えられる蛋白質が多く発現している。中でも新規のカルシウムイオン依存性リン脂質結合タンパク質であるアネキシン・ファミリーのひとつ、アネキシン5は、近年心臓に特徴的な発現が見いだされ、これらが心筋細胞の機能発現に如何に関わっているかに興味がもたれている。本研究は心臓に発現する機能蛋白質の生理的意義および相関を、その発現機序を解明することで明らかにすることを目的とする。まず免疫組織化学的にアネキシンの局在を検討した。その結果、アネキシン5は成体ラットの心房および心室の心筋細胞の介在板、細胞膜上、および細胞質内のZ帯状に局在すること;また心筋細胞のみならず、心筋細胞に隣接する線維芽細胞や血管内皮細胞にも、強い免疫陽性反応が認められることを明らかにした。アネキシン2および6も、心筋細胞の細胞膜、線維芽細胞、内皮細胞にその局在が認められた。さらに胎生期、および新生児期のラットを用いて、発生学的検討を行ったところ、ウエスタンブロット法、および免疫組織化学法によりその発現が認められるようになるのは、胎齢14〜16日からであった。この時期アネキシン5は細胞質全体に瀰慢性に認められたが、胎生末期〜出生前後に生体と同部位への限局が見られるようになった。【これらの結果は第43回日本解剖学会、東北・北海道連合地方会(平成9年9月13日)にて発表した。】現在アネキシンとANPの関係を検討中であり、データを蓄積しつつある。
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