| 研究概要 |
本研究では、特定の器官構造形成における構造の初期位置決定に上皮のプラコード領域での限られた細胞増殖性とプログラム細胞死が影響している可能性を想定し、これらの点を明らかにすることを目標とした。これまでの研究と本研究の第一段階において、上皮・間充織複合器官では上皮細胞の増殖性とプログラム細胞死は特定の細胞外基質分子の時間的・空間的発現性の変化によって調節されている可能性が明らかになった(Takanosu,Amasaki et al.,1997)。ついで、本研究の初年度である第一段階において、in vivoでのプラコード領域における詳細なプログラム細胞死の頻度を計測した。その結果、プラコードの形成がアポトーシス化した細胞の限局的な発現を伴って生じていることを明らかにした(投稿準備中)。しかし、実験の時間軸の更なる厳密さとコントロール性を確立するためにマウス口蓋ヒダにおける同組織の器官培養を試みた。その結果なんとか器官培養が可能な目途が立ち、その後のBrdUなどの投与実験が可能になるための実験準備が完了した。従って、次年度以降、本格的なin vitroでの実験に移行する予定である。
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