研究課題/領域番号 |
09660342
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
澤田 勉 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081600)
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研究分担者 |
川手 憲俊 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80221901)
玉田 尋道 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10155252)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00137241)
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キーワード | アンドロジェン / 雄ヤギ / オキシトシン / 局所ホルモン / 5α-ジヒドロテストステロン / テストステロン / セルトリ細胞 / 精巣 |
研究概要 |
近年、ラット、ウシ等の精巣からオキシトシンが産生されることが明らかとなり、精巣由来のオキシトシンの生理的意義について関心が持たれている。本研究では、オキシトシンの局所ホルモンとしての生理的意義を明らかにするため、雄ヤギの精巣におけるオキシトシンの産生の有無および局所ホルモンとしてのオキシトシンのアンドロジェン産生におよぼす影響について検討した。その結果、以下のことが判明した。 1)免疫組織染色の結果、オキシトシンはヤギ精巣において精細管内のセルトリ細胞に比較的多く存在し、ニューロフィジンはオキシトシンと同様のセルトリ細胞だけでなく、生殖細胞にも多く存在することが観察された。2) RT-PCR法により、ヤギ精巣においてオキシトシンmRNAの発現が認められた。3)精巣動脈と精巣静脈の血中のオキシトシン濃度には有意差は認められなかった。4)ヤギ精巣組織中には、結合親和性が高く、飽和性があり、しかも、結合部位数の少ないオキシトシンレセプターが観察された。特異性を検討した結果、精巣のオキシトシンレセプターはオキシトシンとアルギニンバゾプレシンに高い親和性を有するが、一方、他の視床下部由来のホルモンにはほとんど反応しないことがわかった。5)in vitroにおいて、精巣組織片にオキシトシンを添加した結果、培養液中のテストステロン濃度は有意に減少し、一方、5α-ジヒドロテストステロン濃度は有意に増加した。 以上の結果より、ヤギの精巣においてもオキシトシンが産生されていることが明らかとなった。さらに、このオキシトシンは末梢に放出されることなく、精巣内で局所的に作用し、テストステロンから5α-ジヒドロテストステロンへの代謝を促進している可能性が示唆された。 (稲葉俊夫・中山弓子・谷 浩行・玉田憲俊・澤田 勉:第126回日本獣医学会にて口頭発表)
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