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1997 年度 実績報告書

ボツリヌス神経毒素の受容体認識機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09660343
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

小崎 俊司  大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10109895)

キーワードボツリヌス毒素 / ガングリオシド / シナプトタグミン / 受容体
研究概要

蛋白性細菌毒素は細菌感染症における主要なvirulence factorである。細菌毒素の中でも極めて毒性の高いボツリヌス毒素(A-G型)は、神経終末に作用し伝達物質の遊離を特異的に阻害する。ボツリヌス毒素分子を構成する成分の1つの軽鎖が、神経細胞内のシナプス小胞とシナプス前膜との融合に関与する一連の蛋白群を分解することが明らかになっている。一方、毒素分子を構成するもう1つの成分である重鎖が担っている受容体を認識おする機構や受容体の性状については十分には解明されていない。申請者はシナプトタグミンIIとガングリオシドは複合体を形成して毒素受容体機能を持つようになることを明らかにした。本年度は、この複合体形成に及ぼす両者の疏水性流域について検討を加えた。すなわちガングリオシドはシアル酸のほかに大きな疏水性流域がある。シナプトタグミンIIもシナプス小胞膜蛋白であることから両者に疏水性相互作用があることが予想される。シナプトタグミンIIの膜貫通領域およびこれを含まない領域のシナプトタグミンII変異体を作出し、毒素結合活性を調べたところ、膜貫通領域を含むアミノ末端ドメインが結合能を有するのに不可欠であることが判った。また抗ガングリオシド抗体を用いてガングリオシドとシナプトタグミンII変異体との結合を調べた結果、ガングリオシドのセラミド部分と膜貫通領域が会合することが明らかになった。
現在、シナプトダグミンII分子中には7個の塩基性アミノ酸があるので、これらのアミノ酸を部位特異的変異法を用いて無電荷あるいは酸性アミノ酸に置換した変異体を作出し、これらの毒素結合活性を調べることで、ガングリオシドのシアル酸とシナプトタグミンIIとの相互作用を更に明確にする予定でいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kamata,Y.: "Interaction between botulinum neurotoxiu type A・・・" Toxicon. 35・8. 1337-1340 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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