研究課題/領域番号 |
09660345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
斑目 広郎 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (20173768)
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研究分担者 |
吉田 真太郎 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (40286365)
長谷川 喜久 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092001)
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キーワード | インヒビンファミリー / 顆粒膜細胞腫 / インヒビン / アクチビン / ホリスタチン |
研究概要 |
本年度の研究実績の概要は以下の3点に集約される。 1)ラットの脾臓皮膜下移植卵巣腫瘍を発生させ、内分泌学的(血中FSH、インヒビン濃度測定)、病理組織学的ならびに免疫組織学的(インヒビン、アクチビン、ホリスタチンに対する酵素抗体法、in situハイブリダイゼーション)に観察した。その結果、移植ラットでは手術後、血中インヒビン濃度が上昇、FSH濃度が低下し、移植部に腫瘍が発生した。さらに増殖腫瘍細胞は抗インヒビン抗体陽性細胞で構成されていた(現在、論文投稿準備中)。 2)ゴナドトロピン放出ホルモン(LHRH)遺伝子が欠損しているHypogonadal mouse (hpg mouse)に性腺を自家移植してこれまで脾臓皮膜下移植卵巣腫瘍において最も有力な腫瘍発生因子として注目されてきたゴナドトロピン非存在下での移植卵巣の腫瘍化とインヒビンとアクチビンの関係を形態学的ならびに内分泌学的に明らかにすべくhpg mouseへの脾臓皮膜下卵巣移植手術が進行中である。今後、手術後約半年間の経過を観察する予定である。 3)応用的研究の一環としては抗インヒビンならびに抗アクチビン抗体の獣医学領域における腫瘍組織診断に対する有効性の検証すべく、犬、馬を主体に各種動物の性腺腫瘍を約80例収集し、組織標本作製を完了した。従来、人の顆粒膜細胞腫からは血液中に大量にインヒビンが分泌されているため、インヒビンが顆粒膜細胞腫の血清、組織診断マーカーになりうるとされているが、獣医学領域での応用は腫瘍組織における抗インヒビンならびに抗アクチビン抗体陽性細胞の細胞型、その組織診断上の意義等、未解決の問題を含んでいる。現在、抗インヒビンならびに抗アクチビン抗体の組織診断マーカーとしての意義について検討中である。今後は、実験小動物(マウス、ラット等)についても性腺腫瘍例を収集し、同様の研究を進める予定である。
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