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1998 年度 実績報告書

バイオマスからの新規生分解性複合材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09660351
研究機関京都大学

研究代表者

吉岡 まり子  京都大学, 農学研究科, 助手 (30220594)

研究分担者 白石 信夫  京都大学, 農学研究科, 教授 (70026508)
キーワードセルロースジアセテート / ε-カプロラクトン / グリコール酸 / 乳酸 / デンプン / グラフト / 生分解性 / コンポスト
研究概要

ヒドロキシ酸のグラフトによるセルロースジアセテート(CDA)のプラスチック材料化の検討として、ε-カプロラクトン(CL)と乳酸(LA)をグラフト共重合モノマーとした場合、CDAが効果的に可塑化されること、その可塑化が導入される2つのモノマー配列により影響されること、さらにその関連で、この反応系ではLAに比べてCLの反応性がより高いこと、LAを多く導入すると堅くて脆い材料に、CLを多く導入するとエラストマー的な材料に、また、両者ともブロック共重合性が高い状態で導入されると、導入側鎖の凝集、結晶化の影響が大きく出ることなど有意な知見を得た。ヒドロキシ酸としてグリコール酸(GA)とLAを用いた場合、LAに対するGAの仕込み比率を高くすることでグラフト側鎖の導入量が増大し、同時に、生成物の熱圧成形シートの物性も向上した。示差走査熱量測定により、GA比が多くなるほどグラフト鎖由来の転移が明瞭になることからより多くの側鎖がCDAに結合し、そして凝集していることが知られた。また、CDA由来の二次転移がGA比が大きくなるほど低温側にシフトし、熱可塑性の向上が明らかにされた。さらに、グラフト物と、生分解性高分子であり物性に優れている脂肪族ポリカーボネートとのブレンドに関し有用な知見を得た。生成物の生分解性試験において、コンポスト処理を行った結果、1ヶ月で60%以上の重量減少、分子量の大幅な低下が認められ、グラフト側鎖の脱離だけではなく、脱アセチルやセルロース主鎖の切断も起こっていることが明らかとなった。デンプンのプラスチック材料化の検討では、酢酸ビニルを用いてエステル交換反応によりアセチル化デンプンを調製した後、そのフリーの水酸基にCL及びラクチドを用いたグラフトを行いデンプンの低分子化を押さえつつ、良好な熱可塑性を備えたデンプンプラスチックを得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 白石信夫: "木材の液化、応用および液化機構について" Cellulose Commun.5(1). 2-12 (1998)

  • [文献書誌] 白石信夫: "植物資源からの高分子材料の開発" バイオサイエンスとインダストリー. 56(9). 605-608 (1998)

  • [文献書誌] 吉岡まり子: "セルロースからの生分解正高分子に関する最近の検討" 98-2高分子学会エコマテリアル研究会予稿集. 1-6 (1998)

  • [文献書誌] Shiraishi,N.: "Scicence and Technology of Polymers and Advanced Materials" Plenum Press, 883 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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