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1998 年度 実績報告書

胸膜と横隔膜のリンパ管とリンパ管小孔の個体発生と系統発生

研究課題

研究課題/領域番号 09670005
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

大谷 修  富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90127548)

研究分担者 李 瑞錫  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20303240)
斎藤 麻由  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70235076)
キーワード横隔膜 / 胸膜 / リンパ管 / リンパ管小孔 / 個体発生 / 系統発生 / 微細構造 / 電子顕微鏡
研究概要

本研究は横隔膜と肋骨胸膜の中皮下リンパ管とリンパ管小孔の個体発生と系統発生およびその機能を解明することを目的としている。前年度の研究でラット肋骨胸膜におけるリンパ管小孔の微細構造と分布を明らかにした(Wang et al.,1997)。また,横隔膜のリンパ管に吸収される腹水の量が排導リンパ管の能力を越える時,腹水が胸水に移行し得る事を明らかにした(Ohtani and Ohtani,1997)。
本年度に得られた成果は以下の通りである。(1)ラットにおいて,腹水の量に比例して,リンパ管小孔が拡大する事を低真空走査電子顕微鏡観察により明らかにした。(2)ラット横隔膜におけるリンパ管の発生とリンパ管小孔の形成過程を5^1-ヌクレオチダーゼに対する酵素組織化学および電子顕微鏡観察により明らかにした。胎生16日に横隔膜外側部の胸膜中皮下にリンパ管が出現し,次第に発芽によって中心に向かって伸び,弁を持った多角形のリンパ管網を形成する。太いリンパ管は平滑筋を持つようになる。一方,胎生19日には,横隔膜腹膜中皮下にも放射状に走る不規則な形のリンパ管が出現し,これは次第に横の吻合を形成し,梯子状のlymphatic lacunaeと呼ばれる構造になる。生後数日の間に,このlymphatic lacunaeから内皮細胞が漏斗状に伸びだし,中皮細胞間の小孔と連絡し,腹膜腔とリンパ管を直接連絡するリンパ管小孔が形成される。リンパ管小孔の数は生後10日頃まで急速に増加し,成体に於けると同様になる(Shao et al.,1998)。(3)カエルの原始的な横隔膜にはリンパ管はなく,非常に広い椎骨下リンパ洞が発達している。胸腹膜腔と椎骨下リンパ洞の間の膜にリンパ管小孔が多数有り,この小孔の微細構造,その性差,および季節による違いを走査および透過電子顕微鏡により明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y,Ohtani and O.Ohtani: "Obliteration of the lymphatic trunks draining diaphragmatic lginph causes peritoneal fluid to enter the pleural cavity" Arch.Histol.Cytol.60・5. 503-510 (1997)

  • [文献書誌] X.-J.Shao,O.Ohtani,M.Saitoh and Y.Ohtani: "Development of diaphragmatic lymphatics: the process of their direct connection to the peritoneal cavity" Arch.Histol.Cytol.61・2. 137-149 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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