研究概要 |
我々は,精子形成過程に特異的に発現する4つの遺伝子、解糖系酵素である hexokinase遺伝子(Hkl-s)とglyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase遺伝子(Gapd-s)、精子尾部の繊維鞘構成蛋白質であるFsc1遺伝子、heat-shock protein familyの一つであるHsp70-2遺伝子、これら遺伝子の同定・発現の解析をおこなってきた。その発現様式は、Hk1-s,Gapd-s,Fsc1遺伝子は主にpostmeiotic phaseである半数体のspermatidの発生段階に発現し、Hsp70-2遺伝子は精母細胞を中心としてmeiotic phaseに発現している。体細胞に発現せず精子形成過程にのみ特異的に発現する遺伝子であるので、減数分裂あるいは精子形成に重要な役割を担っていることが推測される。今年度において、Hsp70-2ノックアウトマウスを用いて、精子形成過程における減数分裂と精子への分化との関連がDrosophilaで提唱されている事と類似しているのではないかという事を示した(Mori et al.,1999;in press)。また、HK1-s遺伝子のノックアウトマウス作成するためのtarget vectorの構築が終了し、現在は、ES細胞に導入しselectionを行っている段階である。
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