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1997 年度 実績報告書

生体臓器の氷温貯蔵に関する細胞組織学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670012
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

井上 貴央  鳥取大学, 医学部, 教授 (20116312)

研究分担者 影岡 優子  鳥取大学, 医学部, 助手 (90273903)
海藤 俊行  鳥取大学, 医学部, 講師 (70268837)
福留 初子  鳥取大学, 医学部, 講師 (00032243)
キーワード氷温貯蔵 / 筋組織 / ヒラメ / 微細形態 / 電子顕微鏡
研究概要

氷温貯蔵下における生体組織の微細形態の変化を調べるため、本年度は、水産物の分野で広く応用がなされているヒラメの筋組織とラット角膜の微細形態について検討を行った。活ヒラメは氷温庫の中で-2℃に保ちながら24時間眠らせて保存し、その後室温に戻して蘇生させた。対照として水槽で飼育している活ヒラメを用いた。ラット角膜は眼球を摘出し、一部は冷蔵庫、一部は氷温庫に保存し、主に角膜移植時に指標とされる角膜内皮の形態を検討した。ヒラメは体側筋の一部を切り出し、透過電顕用試料と走査電顕用試料を作製した。ラット角膜は走査電顕試料作製をおこなった。超薄切片法による透過電顕所見では対照群と氷温群とではさしたる相違は観察されなかったが、走査電顕で細胞膜に付着するsurface caveolaeの観察をおこなったところ、標温群のほうが対照群よりも数多くのsurface caveolaeが密に配列している様子が観察された。このことは氷温下におかれた筋組織が自己防衛機能として細胞の活性化をきたしたのではないかと考えられた。氷温下での微細形態を観察するため、急速凍結凍結置換法を用いて試料を作製したが、良好な凍結範囲が限られており、両群を比較検討するには至らなかった。今後、良好な凍結範囲をいかにして拡大するかの検討が必要である。ラット角膜の形態は冷蔵庫保存でも標温貯蔵でもさしたる相違は認められなかった。保存期間をもっと長くした場合には形態に相違が出てくるものと考えられ、移植角膜の氷温貯蔵の可能性が出てくるものと思われる。しかし、ヒラメの筋で示されたように生体臓器を氷温下においた場合、自己防衛反応が認められることが明らかになったので、角膜の場合も長期保存をおこなうことによって細胞の機能状態がこれまでの冷蔵庫貯蔵と異なることが予見された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 井上貴央: "冷却保存をおこなった筋組織への形態学的アプローチ" 氷温科学. 1(発表予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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