研究課題/領域番号 |
09670013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野村 貴子 岡山大学, 医学部, 助手 (20116437)
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研究分担者 |
佐々木 順造 岡山大学, 医学部, 教授 (30093686)
山田 輝夫 岡山大学, 医学部, 助手 (00033225)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | whole-mount / in situ ハイブリダイゼーション法 / 胎生 / 活性酸素 / PHGPx / 合成プローブ / ジゴキシゲニン / 精巣 |
研究概要 |
活性酸素関連分子種の遺伝子発現をwhole-mount in situ ハイブリダイゼーション法を用いて観察することにより、胎生期のラット及びマウスにおける活性酸素関連分子の細胞内代謝における役割を検索するための実験を行った。まず、in situ ハイブリダイゼーション法に必要な合成オリゴヌクレオチドプローブを作製するにあたり、放射性(^<35>S)、非放射性(ジゴキシゲニン)のマーカー分子を多標識するプローブ合成法を初年度から次年度にかけて確立した。すなわち、論文に報告されたcDNAから、93-merのセンスおよびアンチセンスの配列を選び、その両端に5'リン酸化したEcoRI/HindIIIのcohesive ends(付着末端)をもたせた合計99-mer長の合成DNAの凍結乾燥品を得て、これをもとにセンスまたはアンチセンスプローブの合成用鋳型DNAを作成する方法である。この方法により、多くの標識が挿入され、高感度での検出が可能となった。 活性酸素関連酵素の1種であるグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)は過酸化水素および過酸化脂質を消去する酵素であり、このうち、phospholipid hydorperoxide GPx(PHGPx)は生体膜を構成するリン脂質の過酸化物を還元消去することが出来る。今回、上述の方法でラットPHGPxのプローブを作製し、生殖器における発現を観察したところ、卵巣における発現はほとんど観察されなかったが、精巣で強い発現が観察された。この発現は、生後精巣の精細管内で、精子が形成される過程で観察され、ステップ7の精子細胞で強陽性となりステップ12-13の精子細胞で最も強い発現を示した。摘出した精巣を用いてwhole-mount in situ ハイブリダイゼーション法を行い、精細管全体での発現を観察した。胎生期での発現は現在のところ観察されていない。この発現は、PHGPxが活性酸素分子種の消去のみならず、精子形成に役割を持つことが示唆された。
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