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1998 年度 実績報告書

受容体欠損マウスを用いたダイオキシンの奇形誘発・毒性発現機序の個体レベルでの解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670015
研究機関広島大学

研究代表者

山下 敬介  広島大学, 医学部, 助教授 (40166666)

キーワード奇形発生 / ダイオキシン / 相同組み換え / 遺伝子欠損動物 / 口蓋裂 / マウス / 病因 / 発生学
研究概要

ダイオキシン類(dioxins)は環境を汚染し、種々の毒性を持つことが知られている。ダイオキシン類の毒性作用の多くはアリル炭化水素受容体(Aryl hydrocarbon receptor,AhRと略)を介して発現することが多くの状況証拠から推測されてきたが、直接証明はなかった。近年この受容体遺伝子のクローニングが成功し、AhR遺伝子を破壊したマウスが作製された。AhR欠損ホモ(AhR-/-)マウスは出生後、発育可能で、ホモ同士の交配により繁殖可能であった。AhR-/-同士を交配し、妊娠12.5日(膣栓発見日を妊娠0日とする)に2,3,7,8四塩化ジベンゾパラジオキシン(TCDD)を40μg/kg体重の割合で1回強制経口投与し、妊娠18.5日に母体を殺し、胎仔を観察した。野生型同士の交配で同様の実験を行うと、胎仔のほぼ100%に口蓋裂・腎盂拡大が見られたが、AhR-/-同士の交配では、口蓋裂・腎盂拡大とも全く見られなかった。本実験により、ダイオキシンによる口蓋裂・腎盂拡大はAh受容体を介することが明らかになった。AhR-/-雄と野生型雌の交配では、胎仔の遺伝子型はAhRヘテロとなるが、この場合では、TCDDによる胎仔の口蓋裂・腎盂拡大誘発の頻度は、それぞれ24%,100%であった。AhRヘテロ胎仔の口蓋裂・腎盂拡大の誘発に差が見られるのはなぜかとの疑問が残った。
そこで、平成10年度には、TCDDの用量とAhRヘテロ胎仔の口蓋裂・腎盂拡大の誘発との間には用量-反応関係が見られるかどうかを調べた。用量は156,625ng/kg,2.5,10,40,80μg/kgを用いた。用量-反応関係を野生型胎仔とAhRヘテロ胎仔とで比較したところ、AhRヘテロ胎仔もTCDDの用量に依存して口蓋裂・腎盂拡大が誘発されるが、その感受性は野生型よりも低いことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Yasuda,S.Horie,K.A.Matsui,T.N.Takage,and K.Yamashita: "Variant patterns of palatal rugae induced by chemicals in mouse fetuses." Congenital Anomalies. 38,1. 87-95 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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