研究概要 |
生体防御機構の最前線にいるマクロファージの取り込み現象には、細菌など粒子状物質の貪食(phagocytosis)と液相の飲み込み(macropinocytosis)等があり、いずれもアクチン線維(F-actin)の重合、再組織化に依存する細胞運動である。この研究では、phagocytosisおよびmacropinocytosisの機械的分子機構を解明する目的で、種々のアクチン関連蛋白質のマクロパイノゾームとファゴゾーム形成への関与を様々な細胞生物学的手法を用いて調べた。 本研究により 1.ファゴゾーム閉鎖におけるミオシンの関与が明らかとなり、そのミオシンクラスの同定がなされた。2.Fluorescence ratio imaging法によるアクチン関連蛋白とF-アクチンの機能的相関関係の可視化を考案した。3.α-actininの新たなアイソフォームであるactinin-4のmacropinocytosisおよびphagocytosisへの関与をfluorescence ratio imaging法により明らかにし、actinin-4によるF-actin bundlingがmacropinosomesの前駆構造と思われるcircular ruffles,初期のmacropinosomesの形成、維持ならびにphagocytosisにおいても深く関わっていることを示した。4.その他cofilin,ERM proteinsについてもruffling,macropinocytosis,phagocytosisへの関与が示唆される所見が得られており、さらに研究を続けている。
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