研究課題/領域番号 |
09670018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
和泉 伸一 長崎大学, 医学部, 助手 (40264246)
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研究分担者 |
中根 一穂 長崎大学, 医学部, 教授 (60164240)
進 正志 長崎大学, 医学部, 助手 (80145226)
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (30170179)
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キーワード | 転写 / 核 / 遺伝子 / DNA / in situ hybridization / Southwestern / 染色質 / 下垂体 |
研究概要 |
1.活性化されている遺伝子DNAを不活性化されている遺伝子DNAとを細胞の核の中で識別する技法は、不十分ではあるが確立した。すなわち、女性の末梢血を同意を得た上で採血し白血球を分離固定し、活性染色質と不活性染色質を選択的に分別する外来性ないし内因性DNAseおよびプロテナーゼK(0.02 unit/ml)との組み合わせによる最適な分別処理をした後に、ヒトX染色体に特異的なDNA(Xp21,Xq13,Xq21)をチミン・チミン二量体化したプローブを用いてDNA in situ hybridization法を施行した結果、光学顕微鏡レベルで活性X染色質は正染色質に分布し不活性X染色質は異染色質に分布した。しかし処理によって細胞の形態がかなり破壊されていた。 2.遺伝子の発現を調節する遺伝子DNA制御エレメント結合蛋白の分子組織化学的方法はほぼ確立した。すなわち、成長ホルモン(GH)遺伝子に結合してその転写を活性化するGH転写調節エレメント結合蛋白(Pit-1)の分布は、GH遺伝子のプロモーターに存在するPit-1結合エレメント(GH-1)の標識合成オリゴヌクレオチド・プローグを作製し、遺伝子DNAへの結合能を検出するSouthwestern histochemistry法によって、ラット下垂体前葉培養細胞(GH3)およびラット下垂体前葉組織切片において光学顕微鏡レベルでGH細胞の核内の局在に成功した。一方、プロラクチン細胞ではGH遺伝子の転写を抑制する転写調節エレメント(PRE)結合蛋白(PREBP)が核内に局在することが判明した。GHの転写をGHRHで促進あるいはソマトスタチンで低下させた下垂体細胞における検討は進行中である。
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