研究課題/領域番号 |
09670031
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
阿部 寛 東海大学, 医学部, 教授 (40151104)
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研究分担者 |
田中 理 東海大学, 医学部, 講師 (80207076)
関口 雅樹 東海大学, 医学部, 講師 (50163100)
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キーワード | ATP感受性K^+チャネル / 免疫組織化学 / ラット / 脳 / uK_<ATP>-1 / インサイトハイブリダイゼーション |
研究概要 |
ATP-感受性K^+チャンネルの一つuK_<ATP>-1は、細胞内のエネルギー状態と膜電位とを関連づける特徴を有するといわれ、そのmRNAは脳、骨格筋、心臓、腎臓などに広く分布するが詳細な局在は解明されていない。ラット脳におけるuK_<ATP>-1のmRNAと蛋白の局在をインサイトハイブリダイゼーション法と免疫組織化学により検索した。成獣ラットを灌流固定し一部は未固定で凍結切片を作成した。抗uK_<ATP>-1抗体を用いてABC法により染色を行なった。uK_<ATP>-1の蛋白は種々の神経細胞、神経核に広く存在した。前嗅核、脳幹の諸核たとえば赤核、動眼神経核、三叉神経中脳路核、蝸牛神経核、下オリーブ核、顔面神経核などで中等度から強度の発現が見られた。松果体や脈絡叢でも強い陽性像を示した。小脳ではプルキンエ細胞のみならず小型の細胞も陽性であったが、顆粒細胞における発現は明白ではなかった。大脳では海馬錐体細胞、歯状回顆粒細胞に発現がみられ、新皮質の各層に発現していたが、V〜VI層がやや強かった。全体として殆どの神経細胞に顆粒状の陽性像を示し、既に報告した尿細管のミトコンドリアにおける局在(解剖誌、73、p.73、1998)と同様であった。またmRNAの発現も上記の蛋白の局在とほぼ一致することが確認された。 抗uK_<ATP>抗体は千葉大学の清野 進教授の御好意による。
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