研究課題/領域番号 |
09670035
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤本 淳 産業医科大学, 医学部, 教授 (80080547)
|
研究分担者 |
工藤 秀明 産業医科大学, 医学部, 講師 (40289575)
土肥 良秋 産業医科大学, 医学部, 助教授 (30258602)
|
キーワード | 血管内皮細胞 / エンドセリン-1 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 低酸素血症 / in situ hybridization / ワイベル・パラ-デ小体 / 免疫細胞化学 / エンドセリン受容体 |
研究概要 |
平成9年度研究計画に沿って実験を施行し、1)、Wistar系ラット大動脈、頸動脈小体動脈と脳硬膜静脈洞を材料として、急性低酸素血症実験群と対照群で血管内皮細胞に含有されるWeibel-Palade(WP)小体の挙動を比較したところ、いずれの血管においても、血管内皮細胞単位面積当たりのWP小体数が急性低酸素実験群で有意に増加していることが、透過型電子顕微鏡観察およびそれに基づいた画像解析により明らかとなった。さらに、急性低酸素状態ではWP小体の脱芯像や開口分泌像も高頻度に観察され、WP小体に貯蔵されることが既に報告されているエンドセリン(ET)-1とカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が細胞外に放出されることが推察される。 2)、1)の血管のうち、大動脈と頸動脈小体動脈において、ET-1およびCGRPのmRNAの発現に関するin situ hybridizationを施行したところ、両ペプチドとも対照群において、シグナルが検出され、両血管内皮細胞で産生されることが確認された。さらに、急性低酸素血症実験群は対照群と比較して、両ペプチドともシグナルの増強が検出され、1)の結果と合わせると、急性低酸素状態では血管内皮細胞におけるWP小体数の増加と両ペプチドの産生の亢進が相関していることが明らかとなった。 3)、1)の各血管対照群において、ET受容体の局在に関する免疫細胞化学を施行したところ、ET_A受容体は血管平滑筋に、ET_B受容体は血管内皮細胞に免疫陽性反応を示し、ET-1が血管収縮と血管弛緩の相反するvasomotionに関与することが推察される。
|