初年度、我々は犬心臓由来のNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換蛋白(NCX1)のXIP領域が交換活性調節、特にNa@@S1+@@E1-依存性不活性化と細胞内Ca@@S12+@@E1による活性化の責任部位であることを報告した。今年度はNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換研究のための新しい実験方法を開発し、Na@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換の活性調節とイオン輸送メカニズムの解明に重点を置いて研究を行った。 心筋細胞からのNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換電流測定はwhole-cell膜電流記録と、心筋細胞“ブレブ"からのgiant patch法で主に行われてきた。しかし通常のパッチ膜からはNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換電流を記録することは不可能とされてきた。我々はinside-outパッチ法を改良し、大きいピペット(先端直径4-7μm)を用いて、モルモット心筋細胞からパッチ膜“マクロパッチ"を作成し、Na@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換電流を測定することに成功した。マクロパッチから記録されたNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換電流は、Na@@S1+@@E1-依存性不活性化と細胞質Ca@@S12+@@E1による活性化を示し、交換活性調節に関する従来の報告を確認することができた。それ故、マクロパッチ法はNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換電流研究に有用な方法であると結論した。交換電流の逆転電位測定からは、Na@@S1+@@E1とCa@@S12+@@E1の交換比率が定説となっている3:1とは異なり、4:1交換を示唆する結果が得られた。この点については今後研究を進めていきたい。 さらに生理的環境下におけるNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換とNa@@S1+@@E1ポンプの機能的共役を検討し、モルモット心室筋細胞においては細胞容量の約14%領域で細胞内Na@@S1+@@E1を介して相互依存していることが解朋された。 XIP領域の作用メカニズムの研究は現在進行中であるが、我々はXIP領域がNa@@S1+@@E1-Ca@@S12+@@E1交換蛋白の他の領域、もしくは膜りん脂質に結合することで活性調節を行うと仮定している、今後はこの研究をさらに進めたい。
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