• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

P_2-プリン作動性受容体による心筋遅延整流性K電流の増大反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670048
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

松浦 博  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60238962)

キーワードG蛋白 / P2Y / 遅延整流性K電流 / ATP / genistein / チロシンキナーゼ / GDP-βS / ATP-_γS
研究概要

酵素処理により得られたモルモット心房筋ならびに心室筋細胞にパッチクランプ法を適用して全細胞膜電流記録(whole-cell recording)を行い,P_2-受容体刺激による緩徐活性型遅延整流性カリウム電流(I_<K8>)の増大反応に関わる細胞内情報伝達機構について検討を行った.本研究により以下の点が明らかになった.
1. GTP結合蛋白(G蛋白)の関与について
細胞内にG蛋白の機能を阻害するguanosine5'-O-(2-thiodiphosphate)(GDP-βS,1mM)を負荷するとATPによるIK,の増大反応はほとんど消失したため,この反応にG蛋白の関与が示唆された.また,このATPの作用は細胞の百日咳毒素処理によっては影響を受けなかったため,関与するG蛋白は百日咳毒素非感受性のものであると考えられた.なお,G蛋白の関与があることにより,P_2-受容体はG蛋白共役型であるP2Y型であることも示唆された.
2. 蛋白燐酸化反応の関与について
(1) 細胞に非水解性ATPアナログであるadenosine5'-O-(3-thiotriphosphate)(ATP-γS,5mM)を負荷するとATPによる増大反応は不可逆的となったため,何らかの蛋白燐酸化反応の関与が示唆された.
(2) H-7(10μM)およびH-8(5μM)存在下においてATPの増大作用は影響を受けなかったために,AキナーゼならびにCキナーゼを介する燐酸化反応の関与は否定的であった.
(3) genistein(50μM)は部分的にではあるがATPの作用を抑えたが,daidzein(50μM)は効果をおよぼさなかったため,チロシンキナーゼの関与が示唆された.
以上,1および2の実験結果により,ATPはP2Y型受容体を刺激して何らかのチロシンキナーゼを介する蛋白燐酸化反応を引き起こしI_<K8>を増大させることが明らかになった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hirahara,K.: "Intracellular Mg^<2+> depletion depresses the delayed rectifier K^+ current in guinea pig ventricular myocytes." Jpn J Physiol. 48. 81-89 (1998)

  • [文献書誌] Matsubayashi,T.: "On the mechanism of the enhancement of delayed rectifier K^+ current by extracellular ATP in guinea-pig ventricular myocytes." Pflugers Arch. (in press). (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi