研究課題/領域番号 |
09670050
|
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
堀内 桂輔 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50183603)
|
研究分担者 |
竹森 重 慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20179675)
八木 直人 高輝度光科学研究センター, 主席研究員 (80133940)
|
キーワード | 骨格節 / 収縮 / スキンドファイバー / クロスブリッジ / ケージドATP / 光分解 / X線回折 / 放射光 |
研究概要 |
1. X線回折とケージドATP光分解とを組み合わせ、ラット腰筋のスキンドファイバー力学実験を16℃において実施した。光分解で遊離するATPの量は、クロスブリッジのシングルターンオーバー(一回転)を観察するために、0.2mM以下とした。 2. ATPによる活動化の相では、一回転条件下でも、充分量ATPを遊離した以前の実験おける結果と整合する結果が得られた。 3. 脱活性化の経過を、500Hz筋長振動における90゚位相直行のスティフネス(クアドラチャスティフネス)で力学的にモニターした。クアドアラチャスティフネスはATP遊離による活性化で上昇し、続く脱活性化でゼロへ向かって減衰した。脱活性化におけるハーフタイムは0.2〜0.3秒であった。 4. 赤道反射、アクチン層線、ミオシン子午線反射などの、X線反射の分析によれば、脱活性化の時期、大量のクロスブリッジが硬直構造へと変化していると考えられた。その反射強度変化のハーフタイムは0.5〜0.7秒であった。上述の硬直形成の時期、筋の張力は上昇せず、むしろハーフタイム約1.0秒で減衰していた。 5. 活動的に収縮している筋細胞内で結合状態にないクロスブリッジは、それがたとえ硬直状態に移行しても力を発生しないのであると理解した。
|