• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

単球のマクロファージへの分化誘導に関わる初期カルシウム信号の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670056
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

尾田 正二  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266714)

キーワード単球 / マクロファージ / 細胞内カルシウムイオン / リポポリサッカライド(LPS) / CD14 / M-CSF
研究概要

単球は炎症刺激を感受して循環血から血管壁を通過して組織・器官に浸潤し,多機能性ファゴサイト(食細胞)であるマクロファージに分化する.マクロファージはさらに炎症刺激を受けて食作用,免疫細胞の活性化,細胞傷害性を発揮する.本研究では,バクテリア外毒素の成分であるリポポリサッカライド(LPS)による炎症刺激に対して単球・マクロファージ系がどのよに反応するかを,細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)上昇でとらえ,さらに分化過程における反応性の変化をしらべた.ヒト末梢血を遠心分離し,ガラスシャーレへの接着性を利用して単球画分を得,培養系に持ち込んだ.[Ca^<2+>]_iはCa^<2+>結合性蛍光指示薬fura-2を細胞内に取り込ませ,蛍光強度の変化を画像解析装置で記録し,以下の結果を得た.
1) 単球・マクロファージ系細胞はLPSそのものによってはCa^<2+>増加反応を示さなかった.
2) LPSに対する細胞表面認識分子とされるCD14を抗CD14抗体で刺激すると,約45%の細胞が持続数分の一過性のCa^<2+>増加反応を示した.血清や補体の投与でも同様のCa^<2+>増加反応が誘発された.LPSは血漿中の他の分子を介してCD14と結合すると考えられる.
3) マクロファージを長期培養するのに必要なマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)を投与すると,約25%の細胞でCa^<2+>増加反応がおこるが,多くは起こらない.M-CSF存在かで培養すると細胞は大きなマクロファージに分化した.培養日数をおって,CD14に対する刺激に応ずる細胞数が90%に増加し,反応のピーク[Ca^<2+>]_i、値が増強した.また45%の細胞でLPSに直接反応してCa^<2+>増加反応を示した.
これらの実験により,マクロファージは炎症刺激に対して[Ca^<2+>]_i上昇をもって反応すること,分化が進行する過程で刺激受容体の発現および結合性が増強することが示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Oshimi,Y.,Oda,S.and Miyazaki,S.: "Human monocytes and macrophages show [Ca^<2+>];rises in response to ATP and antibody against the CD14 receptor." Japanese Journal of Physiology. 48 Supplement. S43 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi