研究課題/領域番号 |
09670060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
大森 浩一郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80094465)
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研究分担者 |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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キーワード | 内向き整流Kチャネル / パッチクランプ / 遺伝子導入 / バキュロウィルス / COS細胞 / Sf9 / PC12 |
研究概要 |
内向き整流Kチャネル(IRKチャネル)は静止膜電位の保持や活動電位時間の調整などに関与している。1.マウス内向き整流Kチャネル(IRK1)のcDNAをCOS細胞に導入し、発現されるKチャネルの性質を検討した。(1).野生型IRK1では心筋のnative channelと同様に低濃度のMg存在時に、外向き電流に単位電流の1/3と2/3の大きさのサブレベルがみられる。しかし、2番目の膜貫通部位のAspをAsnまたはGlnに置換(D172N,D172Q)するとサブレベルが消失した。また、Glu(D172E)では野生型と同じであった。この結果より172番目の陰性荷電がサブレベル出現に重要であることが明らかになった。(2).IRK1のH5領域はチャネルのポアを形成している。138番目のGluをGlnに置換(E138Q)するとコンダクタンスは消失する。ポアの性質を調べるため更に検討をおこなった。140番目のGlnをGluに置換(Q140E)した場合は野生型と同様であったが、Asp(Q140D)およびE138Q/Q140Eではコンダクタンスが消失した。また、140番目をArg(Q140R)とLys(Q140K)に置換した場合もチャネルの活性はみられなかった。2.IRKチャネルのサブユニット構造を調べるため、野生型IRK1およびN末端側にポリヒスチジンのタッグを持った変異型IRK1のcDNAをバキュロウイルスに導入し、昆虫細胞(Sf9)に感染させた。感染したSf9は野生型、変異型いずれもnative channelと同様の電気生理的特性を示し、感染2日目に47Kのチャネル蛋白質を発現した。変異型蛋白質はニッケルカラムに結合し、imidazoleで溶出された。3.ラット副腎褐色細胞腫(PC12)はNGF添加によって神経細胞へと分化する。PC12におけるIRKチャネル蛋白質の存在をイムノブロット法で調べた。IRKI蛋白質はNGFの有無にかかわらず認められなかった。しかし、G蛋白質結合型IRKチャネル(GIRK1)蛋白質は61Kで存在し、NGF添加で増加傾向を示した。
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