研究課題/領域番号 |
09670061
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
|
研究分担者 |
深尾 偉晴 近畿大学, 医学部, 助手 (70218874)
上嶋 繁 近畿大学, 医学部, 助教授 (30193791)
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
|
キーワード | スタフィロキナーゼ / プラスミノーゲン / プラスミノーゲンアクチベータ / α2-アンチプラスミン / 遺伝子欠損マウス |
研究概要 |
Staphylokinase(SAK)の線溶系活性化についてwild-typeとmutant SAKによる種々の動物から精製したplasminogen(Plg)を用いて比較検討し、さらにPlgおよびα2-antiplasmin(α2-AP)の遺伝子欠損マウスでの解析により、その詳細な機序の解明を目的とする。 本研究の平成10年度の結果は次にようである。 (1) SAK分子中のPlgとの反応に関わる部分的部位の解明を目的に、SAKアミノ酸配列中の10から30アミノ酸残基の部分ペプチドを合成し、Plgに対する反応性を検討した。作製した合成ペプチドは全てPlgを活性化しなかった。また、SAKのN末端より22番目から40番目のアミノ酸配列に相当する合成ペプチドSAK22-40は、Glu-plgに結合しnative SAKによる活性化を増強することを見い出した。 (2) SAKによるPlgの活性化の種特異性はマウス血漿から精製したPlgを用いて、さらに追加検討した。その結果、ヒトとウサギのPlgはSAKと複合体を形成し、PA活性化を発現したが、ウシとマウスのPlgは複合体形成およびPA舌性化発現は示さなかった。また、マウスまたはウシplgはヒトplasmin-SAK複合体により活性化されることが示された。 (3) 遺伝子ターゲッテイングにより作製したα2-APまたplg遺伝子欠損マウスの血漿を用いて、SAKのplg活性化能を解析した。血漿中においてマウスまたはウシplgはヒトplasmin-SAK複合体により弱いながら活性化されることが示された。さらに、ヒトplasmin-SAK複合体によるplgの活性化はマウスα2-Apにより阻害されることが示唆された。 以上の研究結果より、SAKのplgとの反応性に関わる部位が同定され、また、plgの種特異性が解析された。さらに、α2-APおよびplgの遺伝子欠損マウスを用いてSAKによるPlgの活性化が解析された。
|