研究概要 |
脳内アンギオテンシンIIがtype2(AT_2)レセプターを介して“ラット"の発熱反応発現をmodulateすることを私たちはすでに報告している(J.Pharmacol.Exp.Ther.,282:873-881,1997)。本研究は、発熱物質投与による“マウス"の発熱反応に於ける脳内アンギオテンシンIIの役割の解明を第一目標とする。具体的には、AT_2-receptor knockout mouseに発熱物質えを投与して、発熱反応の発現状況をコントロールマウスと比較検討する。その予備実験として、まず本年度はknockout mouseの腹腔内に体温測定用のプローブを植え込みbaselineの体温をfree-movingの条件下で測定した。その結果knockout mouseの体温の方がコントロールマウスのそれより低い傾向が見られた。この観察はAT_2レセプターが体温調節機構に積極的に関与している可能性を示唆する。 現在はAT_2-reseptor-knockout mouseを用い、発熱反応へのAT_2レセプターの関与について検討を行っているところである。したがって、この実験の成果については本研究終了予定の来年度末の報告書に詳述したい。あわせて来年度は、発熱物質により発現するマウスのACTH反応に於ける脳内アンギオテンシンIIの役割についても検討し、その結果を報告する予定である。
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