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1997 年度 実績報告書

血管平滑筋における細胞内Ca局在の生理的意義と加齢による変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670088
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山形大学

研究代表者

石幡 明  山形大学, 医学部, 助手 (40232326)

研究分担者 片野 由美  山形大学, 医学部, 教授 (70018696)
キーワード老化 / 加齢 / 血管平滑筋細胞 / mRNA / アンジオテンシンII / 細胞内カルシウム / プロモーター / 遺伝子発現
研究概要

(1)加齢にともなう血管収縮弛緩機能の変化を細胞レベルで明らかにするためにラット大動脈平滑筋を単離・継代培養し,受容体刺激による細胞内カルシウム濃度の変化を検討した.ラット大動脈平滑筋は2カ月例の若齢ラットおよび27カ月齢の老化ラットからそれぞれ単離し,加齢による性質の相違について比較検討した.老化ラットにおけるアンジオテンシンIIによる収縮は若齢ラットに比較して著明に減弱していたのに対応して,細胞内カルシウムの増加反応も老化ラットで減少していた.このことが老化に伴う収縮作用減弱の原因の一つと考えられた.
(2)ラット大動脈平滑筋におけるアンジオテンシンII受容体のmRNAをRT-PCR法を用いて測定した.GAPDH mRNAに対するアンジオテンシンII受容体のmRNAをデンシトメーターで測定し加齢にともなう変化を調べたところ,受容体mRNAには有意の差が認められなかった.従って,受容体レベルでの変化は老化による変化に関与していないと考えられた.
(3)ラットアンジオテンシンII受容体(AT1)のmRNAの発現調節機序について,サブタイプであるAT1aおよびAT1bについて検討した.血管平滑筋細胞ではAT1bがほとんど発現していなかったが,副腎においてはこれら2種類のサブタイプが存在するためにモデルとして有用であった.アンジオテンシンIIを一週間持続注入することによりAT1aおよびAT1b受容体mRNAはともに50-70%まで減少した.この減少の機序を遺伝子レベルで解析するためにAT1受容体プロモーターについて検討したところ,PKCによる抑制性制御部位が認められたがアンジオテンシン自体に反応する領域は存在しなかった.アンジオテンシンはmRNAの安定性を変化させることで受容体mRNAの調節をおこなっている可能性がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] A.Ishihata: "Inhibition of the expression of the gene for the angiotensin AT1 receptor by angiotensin II in the rat adrenal gland." Eur.J.Pharmacol.(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Z-L.,Xu: "Effect of ischemic preconditioning on myocardial oxygen consumption during ischemia" J.Mol.Cell.Cardiol.(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 石幡明: "ラット心筋におけるETA,ETB受容体発現の加齢に伴う変化" 心筋の構造と代謝. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 徐哲龍: "虚血プレコンディショニングによる心筋酸素代謝の変化" 心筋の構造と代謝. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 片野由美: "老齢ラット冠循環調節に対するアンジオテンシンIIの作用" 心筋の構造と代謝. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Y.Katano: "Age-related changes in the contractile response to endothelin-1 and in the binding characteristics of the endothelin receptor in rat ventricular myocardium. in : The Developing Heart." Lippincott-Raven Publishers, P301-310 (1997)

  • [文献書誌] 石幡明: "Endothelin receptors in : 続 心筋代謝実験法" 六法出版社(東京)、(印刷中), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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