研究課題/領域番号 |
09670094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
谷山 絋太郎 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
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研究分担者 |
山下 康子 長崎大学, 医学部, 助手 (80291532)
貝原 宗重 長崎大学, 医学部, 講師 (40274633)
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キーワード | アフリカツメガエル卵母細胞 / ドパミン / γ-アミノ酪酸(GABA) / 神経終末 / 開口放出 / シナプトフィジン / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
ラット脳から抽出したメッセンジャーRNA(mRNA)をアフリカツメガエル卵母細胞に移入し、その卵母細胞に神経終末と同様の機能を発現させた。 1)60分間ドパミンを含むBarth′s液に浸漬することにより、ドパミンを取り込ませたmRNA移入卵母細胞に高K^+(50mM)液を適用すると外液Ca^<2+>依存性のドパミン遊離を惹起した。mRNAと共にシナプトフィジン(SP)抗体を移入した卵母細胞では、高K^+誘発ドパミン遊離量はmRNAのみの移入卵母細胞からのそれの約40%に減少した。SP抗体を用いてイムノブロット法で検討したところ、mRNAを移入していない卵母細胞にはSPが存在しないが、mRNAを移入したことにより卵母細胞にSPが発現することが確認された。以上のことから、ドパミン遊離にSPが関与することが明らかになった。 2)プロテインキナーゼC(PKC)が神経伝達物質の開口放出に重要な役割を演じていることは周知の事実であるが、PKCには10数種のタイプがあり、どのタイプが神経伝達物質の開口放出に関与しているのかを検討した。γ-アミノ酪酸(GABA)を取り込ませたmRNA移入卵母細胞にCaイオノフォアであるA23187を適用するとCa^<2+>依存性のGABA遊離が惹起した。PKC-αとγのsenseおよびantisenseのorigonucleotideを作成し、卵母細胞に移入し、それらの影響を調べたところ、PKC-αのsence origonucleotideを移入した細胞ではホルボールエステルでPKCを活性化すると遊離の増加が起こったが、PKC-αのantisence origonucleotideを移入した卵母細胞では、ホルボールエステルによる遊離の増加が起こらなかったことより、PKC-αがGABA遊離に関与するものと考えられる。
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