研究概要 |
(1)KB-R7943は、内向き(IC_<50>17μ2M)より外向き(IC_<50>0.3μM)NCX電流を強く抑制する。 しかし、NCX電流が逆転電位をはさんで両方向に流れる条件では、両方向を同様に抑制した(IC_<50>1μM)。これは、NCXが膜外側でNaとCaを結合する構造が異なると考えると説明がつく。 (2)新しい心筋保護薬JTV-519のモルモット心室筋の膜電流に対する作用をホールセルクランプ法で調べた。JTV-519はNCX電流に影響せず、Na、Ca、I_<KI>電流を抑制した。Na電流抑制作用は電位と頻度依存症で、リドカインよりキニジンに似ていた。IC_<50>値は保持電位-90mVで2μM,-60mVで1.2μMで、キニジンやリドカインより低濃度だった。活動電位のプラトー相を短くした。 (2)Butanedione monoxime(BDM)がモルモット心室筋のNCX交換電流を抑制することを見出した。(IC_<50>=2.4mM).BDMと似た作用のpralidoxime(2-PAM)もNCX電流を抑制した。BDMと2-PAMはNCXを脱リン酸化させ抑制するかもしれない。現在燐酸化部位の突然変異NCXを発現させ検討中である。 (3)抗不整脈薬のアミオダロンもモルモット心室筋のNCX電流を抑制することを見出した。(IC_<50>3μM)。細胞内液にトリプシンを入れると抑制しないので、アミオダロンは細胞内に作用してNCXを抑制すると考えられる。 (4)抗糖尿病薬であるtroglitazone(Tro)はモルモット心室筋のL型Ca電流を抑制した。Troは-80より、-50mVから活性化したCa電流を強く抑制した。IC_<50>値は-50mVで0.8μM,-80mVで10μM以上だった。Troは他のCa拮抗薬と似た性質を持つと考えられる。
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