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1997 年度 実績報告書

グルタチオンのニューロモジュレーターメカニズムの解明に関する分子薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670111
研究種目

基盤研究(C)

研究機関摂南大学

研究代表者

荻田 喜代一  摂南大学, 薬学部, 講師 (90169219)

キーワードグルタチオン / グルタミン酸レセプター / グルタチオン結合蛋白質 / グルタミン酸取り込み / γ-アミノ酸取り込み / N-メチル-D-アスパラギン酸レセプター / シナプス膜 / 脳
研究概要

(1)ラット脳のN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)レセプターに対する還元型グルタチオン(GSH)および酸化型グルタチオン(GSSG)の効果を解析する目的で、脳シナブス膜への[^3H(+)-5-methyl-10,11-dihydro-5H-dibenzo[a,d]cyclohepten-5,10-imine結合に対する両グルタチオンの効果を解析した。本結合は両グルタチオンの添加により著明に増強され、その増強はNMDAアンタゴニストで拮抗された。これらの結果は、両グルタチオンがNMDAアゴニストとして作用する可能性を示唆するものである。また、ニトロプルシッドナロリウム(SNP)の前処理は、レセプター上にレドックス調節部位を介してアゴニストの結合増強曲線を右に移動させた。未処置膜標品を用いた場合では両グルタチオンの結合増強作用に顕著な差異は認められないが、SNP処理膜の場合にはGSHの方がGSSGに比べて強力な結合増強作用を発揮した。これらの結果より、GSHはNMDAレセプターに対してアゴニスト作用に加えてレドックス調節物質としての作用も持つ可能性が示唆される。(2)シナプトゾームへのグルタミン酸取り込みおよびγ-アミノ酪酸取り込みに対するグルタチオンの効果を解析した結果、両グルタチオンは少なくとも0.1mM以下の濃度では両取り込みに対して著変を与えなかった。今後、さらに高濃度の場合や両神経伝達物質の放出に対する効果についそ解析する予定である。(3)脳シナプス膜へのGSH結合部位の存在は既に報告している。その結合蛋白の本体を明らかにする目的で、GSH固定化アフィニティークロマトグラフィによりブタ脳シナプス膜から本結合蛋白の単離精製を試みた。その結果、分子量の異なる数種の蛋白質が見出された。今後、これらの蛋白質をさらに単離精製した後にアミノ酸配列を決定して同定を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kiyokazu Ogita: "Nitric oxide-Independent Inhibition by sodium nitroprusside of the native N-methyl-D-aspartate recognition domain in a manner different from that by potassium femocya" Neurochem.Int.(発表予定). (1998)

  • [文献書誌] Kiyokazu Ogita: "Glutathione in the Nervous System" Taylor & Francis, 389 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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