研究課題/領域番号 |
09670115
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
川西 徹 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 室長 (40124383)
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研究分担者 |
渡部 明子 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 研究員
内田 恵理子 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 室長
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キーワード | 蛍光プローブ / 蛍光顕微鏡 / 画像解析 / チロシンリン酸化 / src-類似領域 |
研究概要 |
チロシンキナーゼ情報伝達系において、タンパク質がチロシンリン酸化をうけた後、細胞内の各種機能分子がリン酸化部位を認識してタンパク質に結合し、その結果機能分子が活性化をうけ、さらに情報が下流に伝わることが明らかとなっている。その際機能分子がリン酸化部位を認識するにあたっては、SH2領域あるいはSH3領域と呼ばれるこれら機能分子に共通した相同領域が重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。したがってSH2領域を有する機能分子をプローブとして用いることにより、チロシンキナーゼ情報伝達系において重要な役割を果たすリン酸化部位を特異的に検出することが可能になるととも、さらに機能分子の動きを画像化することにより情報が下流に伝わる経路の解析にも利用できる可能性が生まれる。そこで初年度チロシンリン酸化のプローブとしてSH2領域を有する機能タンパク質分子であるCy-2およびCy3.5標識ホスホリパーセCγ(530-850)およびGRB2(1-217)を作製した。今年度はこれら蛍光プローブをMDCK細胞以外にHela細胞や初代培養肝細胞へもマイクロインジェクションにより注入し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内の挙動を画像化した。どちらの細胞でも、多くの細胞では形質膜付近への分布が観察されたが、細胞をEGF処理すると、蛍光は細胞全体へ拡散し、特にGRB2では核への分布が観察された。また初代培養肝細胞ではHGF刺激でも同様の変化が観察され、この変化はαアドレナリン性刺激あるいはバソプレシン刺激では観察されなかった。以上の局在の変化はゲニステインによって阻害された。
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