研究概要 |
ヒトPACE4は単一の遺伝子より共通の触媒ドメインと異なるC末構造を有する7種類のアイソフォームが作られ、アイソフォーム特異的組織,細胞分布を示すことから,それぞれ異なる生理機能すなわち異なる生理活性ペプチドのプロセシングに関与していると推定される.しかしPACE4アイソフォーム以外に個々のKexin様プロテアーゼが互いに複雑な細胞分布を示すため,生理活性ペプチドとKexin様プロテアーゼの細胞分布のパラレリズムからその生理機能を推定するのは困難である.本研究では,アンチセンスRNAによるPACE4の発現制御を用いて直接PACE4と生理活性ペプチドプロセシングとの関係を解明した. 全てのPACE4アイソフォームを発現阻止した場合の影響を調べるため,アンチセンスRNA5'上流域の500bpの配列を用いて,PACE4の発現が高いヒトHepG2細胞を用いて,PACE4,furin,SPC7の3種類のアンチセンスRNAを発現する細胞株を確立した.これらの細胞株で合成,分泌される血清タンパク質のプロセシングを解析した結果,アルブミン,C3などのプロセシングにこれら3種のプロテアーゼが関与していることをはじめから明らかにした.
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